「中山紘太の事業観」カテゴリーアーカイブ

会議なんて要らない~チャットの威力~

堀場製作所の堀場社長が、

「会議なんてメールにすればコストが10分の1になる」と書かれていたけど、

ヴァンテージでは、そもそも会議なんて行わない。

「LINEで情報共有してどんどん決める高速意思決定スタイル」だ。

  ※セキュリティの観点から別のチャットツールを開発中なので誤解なきよう。。


マネージャーがメンバーの行動を把握する朝のミーティングや、

月初の作戦会議的な集まり以外で、

会議室でダラダラ議論している風景はほとんど見たことがない。

マネージャーレイヤーでいっても、

例えばチーム編成や目標予算の確認、

例えば新規事業の広告費の増額や戦術の変更、

例えば形骸化している社内制度の見直し、

例えば中途採用のFBや採用可否のすり合わせ、、、

こんなことも全てチャットで秒殺で決めていく。

前回のブログでスピードについて書いたけれど、これも同じ。

「来週の火曜日13時に…」なんてやってられない。

そんなことをしていたら競合企業には勝てないし、いずれ滅びる。

こんなことを書くと、

「チャット(やメール)だけだと無機質になり関係が希薄になる」

「顔を合わせることで生まれる信頼関係が醸成されない」

「文字情報だけでは伝わらない微細なニュアンスや行間が伝わらない」

とご指摘を頂くだろうけれど、本当にそうだろうか。

かく言う自分は、

自他ともに認める対面のコミュニケーション重要視派だ。

正確には「重要視派だった」

ただ最近はそれは自分の若さというか勘違いだったことに気がついた。

もし対面のコミュニケーションを減らすことによって懸念すべき事象が生まれたとしても、

きっとその事象の多くはトップを目指すためには不要なものであり、

「そういった方法でしかモチベートされないレベルの人材で構成されている」ことを改善すべき。

プロフェッショナルの集まりであれば、

ビジョンや目的によって結束されるべきだと思っている。

そしてそもそも、

フェイストゥーフェイスのコミュニケーションが少ないことによって、

「具体的に懸念すべき事象が起きたかどうかで判断すべき」ということに気づいた。

一例としては幹部社員の離反やメンバーから上がってくる声の質の低下が挙げられるけれど、

自社については今のところ7年半の業歴の中でマネージャーの退職は僅か1名。

細かなハレーションももちろんゼロではないけれど、

我々の目指す組織、そこに到達するためには、

申し訳ないが不要なもの、不要なレベルのものが大半と言える。

とか偉そうに書きつつ、

メンバーとのリレーションをとるコミュニケーションはたっぷり取っている(笑)

幹部メンバーとだけは月に2度の定例会議と2回の食事、

オフィシャルなものとしては3ヶ月に一度の1対1のサシ飲み。

メンバーとは、

月初の全社キックオフと毎月のバースデーパーティーがオフィシャルで、

それ以外にもランチやら日々の食事やら飲み会もちょこちょこやっている。

チャットでの議論も、

長引きそうであったり折り合いが悪そうであれば、

逆にすぐにフェイストゥーフェイスで話し合う場を作っている。

それも即座に。

要は全てはスピードとのトレードオフ

日々の信頼関係構築は大切にしつつ、

最大限“スピード”を取る。

グループ全体で100名、1000名、10000名になっても、

意思決定のスピードはどんどん高速化をして行くつもりだ。

あらゆるツールの進化によって、

文字通り四六時中情報を取ることが出来、判断ができるようになった。

そのスピードについてこれるメンバーのみを幹部に据える。

最後は全然チャットの話じゃなくなって来たけどあせる

とにかく、合議を諮るだけの会議なんて、要らない。

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ニッチに逃げない

とかくベンチャーはニッチに逃げがちだと思う。

と、

偉そうに書き出してみたのも、

自分を追い込むため。

前回のエントリー同様、

ベンチャー企業で新しい事業や新しいサービスを考える時、

誰かが何か意見を出すと、

二言目には、

「それ、もう○○さんとこやってるよね」

「新規性、ないじゃん」

「いや、普通だし。」

「う~ん。□□と代わり映えしないよね」

「ベタでしょ」

と、総突っ込みに合うことがしばしば。

それが行き過ぎてよく陥るのが、

「他がやっていないことしかダメ」

という気運から生まれた、

「意味不明なサービス」

「色々全部盛りでよく分からんポンコツサービス」

たち。

これもあるあるガーン

昨日流れてきたこちらの記事

スマホUI考(番外編)

顧客やユーザーの要望に全て対応すると、アプリは99%破綻する

に書かれていることも、

本当にあるあるだ。

このマインド自体がいけないのかもしれないが、

我々のようなまだ足元よちよちのベンチャーは、

順番を間違えてはいけない。

セカイの価値観をぶっ壊すような、

エポックメイキングなサービスを生み出したいと強く願いつつも、

ミッションを達成させるためには着実に勝っていくことも必要。

その立場を忘れず、

多少時間がかかろうとも丁寧に振り返りながら、

確実に目の前の一戦に勝利せねばならない。

次のサービスも、

きちんと市場があり成長しているど真ん中でやる

ニッチには、逃げないかお

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(主にネット)事業の立上げで失敗する理由あるある

今Qから2つの新サービスに関与しており、

昨日、その内の1つについて、

ネット業界のA先輩にアドバイスを頂きに上がった。

これまでの10年で150件の事業案を精査し、

実際に10を超える事業の立上げをされてこられたA先輩の言葉は、

どれもグサッと来るものばかり。

忘れないうちにメモメモ。

【(主にネット)事業の立上げで失敗する理由あるある】

①自分たちの身の回りで起こっている現象が、

まるでマスで起こっている現象だと勘違いするケースが多いが、


多くの“そう思わないように思わないようにしている”、


自称「オレはそうならないぜ」ベンチャー経営者が、

結局やっぱり勘違いしまくりで、

狙い通りののニーズを捉えてないパターン。



→耳が痛いっす。

②自分たち的には、


色々機能を織り込んだり削ったりして、

めちゃくちゃ“尖らせている!やばいでしょこれ!”


と、思い込んでいるが、

全然差別化にも何にもなってないお寒いパターン。

→めちゃくちゃ耳が痛いっす。

③ユーザーのどんな課題に対するソリューションなのかを突き詰め、


それに対する機能をモリモリ盛り込み、

実際にユーザーインタビューを重ねてみたら、

実は、


ユーザーがその課題を感じていないという

そもそも論パターン。

→耳が痛すぎで取れそう。

④企画が秀逸そうに見えて、


実は料金形態が若干違うだけでその原資は同じだから、

誰でも真似ができて、


最後は体力勝負か執念の勝負になるパターン。



→なるほどです。

⑤大手が有料のサービスを一気に完全無料化して、


他の手法でマネタイズしたら、

業界がひっくり替えるくらいのイノベーションになるのではないかと

大盛り上がりするものの、


実際、全然そんなに甘くないパターン。

→見たことあるね。

⑥最近上場した企業のモデルを「あれはすごい成功モデル!」と定義し、

そのビジネスモデルのひとひねり系の事業モデルを考案するも、

冷静に数値化すると、

その“成功”ベンチャーは、

業界の超トップ企業の部門売上の、


1%とか2%程度の売上しかシェアを奪っていなかったというオチパターン。


→反省します。

⑦同じくその“成功”と定義した企業の認知度が、


「もう世の中の誰もが知っているモデル」と手放しに礼賛し、


現実はそのマーケットのターゲット層でさえも、


実は全然認知しておらず、

資金力のない零細企業が「もしかしてオレたちも」とのこのこと参入するパターン。



→猛省。

⑧差別化しようと躍起になり、


どんどん尖らせていき、


その結果プランの精度も上がり、


サービスとして収益化しやすくなりテンションも最高潮になるものの、

結果得られるグロスの収益が全然ワクワクしないパターン。


→あるある。

最後に、

⑨撤退基準を明確に定めずに、


想い先行で毎日毎日熱中没頭し続け、


「あれ、思ってたのと何か違う」って気付くのに、


そこから、

愛着とか、これまでに幾ら掛けたからとか、


もう少しで・・・とか、事業責任者の○○のモチベーションがとか、

ズルズルと赤字を垂れ流して結局意味なかったね~パターン。

といったところ。

いやはや勉強になりまくりで鼻血でそう。

誰かティッシュください。

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事業について思うこと

先日拝見した、


ネット事業、「一番早く参入」は勝利の条件か 森川亮 LINE社長


という記事を見て、


非常に共感した。




一昔前までは、


アメリカではやっているサービスをいち早く取り入れて、


ローカライズして新サービスとして売り出す、


いわばタイムマシン経営が通用した。



だが現在では、


ソーシャルメディアを通じて、


世界中の最先端の情報が秒速で知ることができ、


google翻訳で一発で翻訳することができ、


oDeskなどのクラウドソーシングを通じてでも、


タイやインドネシア、ベトナムにオフショア開発するでもよいが、


簡単に、そして安価にwebサービスの開発を依頼できるようになった。



そうなってくると、


どこかで流行った(ている)サービスを真似するプレーヤーは


一昔前に比べて格段に増えているわけで、


タイムマシン経営は通用しにくくなっている。




この条件下でゲームをするのであれば、


資金力のあるいわゆる大手が明らかに勝つ確率が高い。



保守的な古い体質の大手ではなく、


資金力もあり、


ネットやソフトウェアに見識がある、


超フットワークの軽いソフトバンクや一部事業会社のVCなんかが、


きっと勝利する。



現にgoogleやFacebook、


MSやappleやamazonなどは有望なベンチャーをバンバン買っており、


日本でもソフトバンク、楽天などがアグレッシブな動きをとっている。




なので、


会社を始めるのであれば、


乱暴に分類すると、



①サービスを当てて、大手にバイアウト


②サービスを売らずに、組織を創り上げて長期に規模の拡大


③そのどちらでもなく小規模で生きながらえていく



のいずれかの路線で行くのかを決める必要があると感じている。



①を選ぶのであれば、


有能な技術者を一人でも口説き落とし、


短期的な売上以上に、


投資家を唸らせるサービスを徹底して磨き上げる必要がある。




我々は②を選んだわけだけど、


②の場合誤解されがちなのは、


イノベーティブなサービスを創り、


世界に変革をもたらせていくことを狙わないということである。


それは、誤解である。





メタップスの佐藤社長が書かれていたように、


ピボットから2年、世界に突っ込んでみて感じたこと



>自分の経営している会社が

>イノベーションを目指すベンチャー企業なのか、

>100年続く優良企業になりたいのか、

>その目指す方向性も恥ずかしながらわかっていませんでした。

というか2つの違いがよくわかりませんでした。

>ひとくくりで「会社」でした。


この部分については、


個人的には、


やはり、


両方を満たすべきではないかと感じている。



それにより、


いわゆる桁違いの速度での成長が奪われる可能性はあるものの、


絶対に両立できないものではないと



>ベンチャー企業であれば目的は市場の破壊と創造が最優先。

>優良企業を目指すのであれば、

>企業の継続性と雇用の維持のほうが最優先にあります。

>自社は実際にはそのどちらでも無くて、

イノベーションだとか言っておきながら、

>「失敗しないように」少しづつ投資をして勝負なんてまるでしていませんでした



このあたりの危機感や、焦燥感は尊敬に値するものであり、


短期でのイノベーションを目指す以上、


これくらいの割り切りが必要なのだと思う。



一方で、


>そして前述した桁違いの速度と規模で成長していた企業は

>あきらかに「ベンチャー企業」であり「イノベーター」であって、

>堅実な優良企業になるとは創業者達は考えてはいません

>(周囲の人達は考えていたと思いますが)。

>実際に各社上場した後もまったく安定はしていません。

>どちらの条件も両方満たすのが一番なんですが、

>勝負する時は何を優先するかが重要になります。

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“ダサい”を集める~本当に天才にしか見えないのか~

エディングハウスの忘却曲線とやらによると、

人は1週間で80%忘れるらしいので備忘録。

先週の新経済サミットでのこと。

Twitter、Squareを創業した天才、

ジャック・ドーシーは言った。

「僕はあの馬鹿でかいレジスターと、


クレジットーカードの読み取り機を見たときに、


『なんてダサいんだ!』って思ったんだ。


破壊的なイノベーションを起こそうなんて考えていない。


日常の不満と向き合い、


今よりもより便利にしているだけさ。」

最近、300回くらい頭を駆け巡る言葉。

「目の前を通過する情報はみんな同じ」

クレジットカードの読み取り機なんて、

僕だって何千回と見てきている。

ただ、ダサいとなんてただの一度も思わなかった。

ジャック・ドーシーの場合、

その体験に加え、

友人のガラス陶芸家が、

クレジットカードが使えなくて販売機会を逸したという情報とが繋がり、

スクエアの開発に突き進むことになる。

同じ新経済サミットの情報で言えば、

あのSkypeは、

スウェーデンやコペンハーゲン、

エストニアだったかにまたがって仕事をしていた仲間たちとの

国際通話料がうざいから社内用に開発したらしいし、

ピンタレストに至っては、

昔から昆虫採集が好きで、

それと同じ感覚で、

共通の趣味を持った人たちと交流したくて作ったという。

世界66万社が利用しているクラウドソーシングoDeskは、

ギリシャだかにいた創業者が、

サンフランシスコにいる知人に仕事を頼むために、

お互いの仕事の進捗を確認するために作った、

これまた社内ツールが起源だという。

何もかも、

僕らの目の前にもある情報だ。

毎分毎秒同じ情報が目の前を流れている中で、

世の中を席巻するサービスをゼロから創造する人と、

そのサービスをただ使い一生を終えていく大多数とに分かれる。

今、僕の目の前にはパソコンという代物があり、

隣にはWiFiがあり、

i-Phoneがあり、ペットボトルと財布がある。

ホテルの電話機があり、

机があり椅子がある。

メモ帳があり、

テレビがあり、

非常用ライトがある。

この情報だけでも、

見る人が違えば発想されるものが違うのだ。

そこに本当に、

天才にしか見えない何かがあるのだろうか。

いや、そうではないと思う。

もちろんそういう性質のアイディアもあると思うけど、

能力の差以上に彼らは“疑うこと”が習慣になっており、

アップルの広告風に書くとすれば、

物事をまるで違う目で見る人たちなのだと思う。

未だサービスを生み出せていない我々に出来ること。

それは、

まず徹底して疑い、


“ダサい”を集めることだと思う。

先週早速社内に共有し、

デイリーで日常の不未非無を集めることを仕組み化した。

天才も凡人も、

目の前を流れていく情報は同じだ。

それらをどう見るか。

それで、

人生が決まる。

負けるもんか。

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当たり前の基準をあげるために

昨日は、

久しぶりに前職の社長にお時間を頂いて、

ゆっくりと話をさせて頂いた。

93%くらいは一方的にあっちがしゃべっていたけれどww、

今の自分には十分すぎる時間だった。

誰もが驚愕する伸び率の売上と、

いやいや最近一部に指定替えしている上場企業より出てますやん;;

という利益を計上している今でも、

とにかく謙虚。

目の前で内省を続けられる姿に、

ただただ尊敬と敬愛の思いだ。

全くいやらしくなく、

さも当然という感じで出てくる数字の大きいこと。

さらりとおっしゃる洞察の鋭いこと。

今なお成長を続ける不惑の先輩を前に、

この方と一緒に戦わせて頂いていたことを

(今も精神的には変わらない思いだけど)

心から誇りに思った。

同時に、

曲がりなりにも4年半生き抜いてきて、

今までと違った視点で話が出来ている自分も確認できた。

やっぱり、成長を確認するには、

自分よりも圧倒的に力のある方とコミュニケートするに限る。

正直に書くと、

この2・3年間、

実りの少ない夜の時間はほぼゼロにしてきた。

極力、視点・目線の高い方々とだけお会いするようにし、

視点を下げないように努力してきた。

大量にインプットし、

そろそろ形にしていかないとなと感じ始めていたので、

その意味でも昨日の時間は有益だったと思う。

「経常2億までは営業でつくるのが一番早い。


経常5億からがプロデュース業になれる。ゆとりが生まれるよ。


経常5億ができれば経常10億は絶対にできる。」

「8・9年前に一緒に必死になって経常2億円を追いかけていたのに、

さらっと言わないでくださいよ~ww」

なんて言いながら、

よっしゃ経常5億作ってやろうじゃないのと、

ぐっと力が入った。

Fさん、いつもありがとうございます。

また、パワーください。

約束は必ず果たしますから。

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競合がいる以上、お客様には選ぶ権利がある。

定期的に拝見させて頂いている、

「ロードサイドのハイエナ」こと、

エムグラントフードサービスの井戸社長のブログに

大変共感する記事が書かれていた。

~以下、リンクを張らせて頂く~

http://ameblo.jp/mgrant/entry-11283926007.html

時を同じくして、

社内のやりとりで、

我々がクライアントにとってどういった存在であるべきかを

確認しあうきっかけとなる出来事があった。

我々が今主戦場にしている「webマーケティング」領域は、

とにかく競合が多い。

web領域のBtoCやOtoOと並んで、

web×BtoB領域は、

日本中に数ある産業の中でも数少ない成長分野であり、

その割りに参入障壁も低く、

代理店からのスタートは極めて容易だから当然である。

旧来の紙やリアルの広告代理店は当然のことながら、

制作が売れなくなったホームページ制作会社、

受託が取れなくなった開発会社、

営業力に自信のあるビジネスフォン、コピー機等の、

通信機器関連のゴリゴリ営業会社、

頼りにしていた自社システムが売れなくなったASP事業者、

メール配信会社、ダイレクトマーケティング会社、

PR代行会社、ノベルティ会社、求人広告営業会社・・・、

法人向けのサービスを提供している会社の多くが、

みんなみんな、

『webマーケティング/ネット広告やりますできます状態』

である。

そういった状態だからこそ、

我々がクライアントにとって、

少しでもイマイチな存在になってしまったら、

当然のように、

「ハイ、別の会社で」

となってしまう。

未熟なところから始まった我々も、

おかげさまで多くのクライアントのご予算を

預からせて頂けるまでにはなってはきたが、

努力を怠り、

手を抜き、

少しでも自社の利益を優先するような行動に走ってしまっては、

確実に市場から“退場”を命じられる。

我々はサービス業であり、

無形の商品を買って頂き続けるためにも、

他社には無い“存在価値”を出し続けなくてはならない。

そのことを社内で確認する機会をまた作った。

自分自身を含めて、

人はそんなに強く出来ていないと思うから、

何度でも、共有しあう。

『お客様には選ぶ権利がある。


その中で、如何に選び続けて頂くか。』

もっと努力しなければ。

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一度始めたら止まれないのね。

最近、

「ハッ」とあることに気がついた。

きっかけは税理士さんとの打ち合わせの際のやり取り。

お金の使い方にまつわることであり、

経営のセンスにかかわることであり、

本質的なことなのに、

わかっていたようでわかっていなかったことが、

ズドンと理解できた。

多くの経営者はそれをわかって経営しているのだろうけど、

自分自身はわかっていなかった。

詰まるところ、

経営は、


一度始めたら止まれないのだ。




倒産するか、廃業するか、

自ら幕引きをするまでは走るしかなく、

業績を伸ばすために投資をしなくてはならないのだが、

現状を維持するためにも、

投資をし続けるしかないのだ。

常に動き続けなくては、

ただただマイナスを生むような仕組みになっている。

人生で初めて、

官僚の方々が練り上げてきた社会システムに、

感動したw

こう書くと「なんだそんなこと」と思われそうだけど、

何かを始めること、

リスクをとって始めてみることに対する考え方、

そもそも経営にとってのリスクって何だっけってことが、

どうだろう、60度くらい変化した。

その日から、

視点を変えて、

今の自社の現状を俯瞰し、

取り急ぎ4つくらいの指示を出した。

人の採用に関わるところ、

メンバーの評価に関わるところ、

そして、

新規の投資関連に。

ずっと、

成長したいから投資をするのだと思っていた。

それはもちろんそうなのだけれども、

そんなことは関係なく、

泳ぎ続けなくてはならない。

こぎ続けなくてはならない。

もう止まれないんだ。

世は卒業式。

あと1週間で4月になり、

新たな季節が訪れる。

志ある、

2名の同志達もやってくる。

とてもすっきりとした心地。

さぁ、仕切りなおしだニコニコkirakria*

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焦りと見栄からくるミスジャッジ

1年の振り返りの前にもう1つだけ、

自戒の念をこめて記しておきたい。

事業を推進する上で、

気をつけなくてはならないことの1つに、

『焦りと見栄からくるミスジャッジ』

があると考えている。

今、我々が身を置いているネット業界は、

スマートフォンの台頭とソーシャルプラットフォームの勃興に牽引され、

ECの堅調な伸び、広告手法のパラダイムシフトの加速も進み、

近年にない勢いを見せている。

(ずっと人材業界にいたので業界を語る立場にはないが、

9年前から、

顧客として数々の成長ネットベンチャーの経営者とお付き合いしてきたので、

その時の彼らの言葉を振り返っても、

この1年はものすごい勢いだったと思う。)

乱暴に言えば、

“一定の努力をした企業全員が儲かっている状態”

と言う状態。

ツイッターやFBでそれなりの数の経営者のつぶやきやポストを見ているが、

どの企業も、

この2011年は素晴らしい内容だったようだし、

(無論、ソーシャルメディアにネガティブなことをつぶやく人などいないが)

求人のマーケットを見ても、

ネット業界向けの求人(と看護/介護系)だけは不況などどこ吹く風状態で、

人材紹介会社に「紹介して欲しい」とお願いしても、

「いや~この領域は、引く手あまたですからね~。

候補者側が圧倒的に足りてないです。。。」

といわれる始末。

どの企業も増員増員で、

はっきり言って、いい話しか聞かないのだ。

こういう今だからこそ、

「焦ってミスジャッジをしてはいけない」


「見栄を張って、背伸びをしすぎてはいけない」

ということを強く意識している。

猫も杓子もとは言わないが、

どこに言っても「スマホ」「アプリ」「ゲーム」の話題ばかり。

ただ、現実は多くの会社がP/L上赤字で、

(戦略的な投資を含んだとしても)

外部からの資金調達によって投資をし続けているケースが多いと聞く。

VCが入り口のグロスも出口も足りていない状況が更に追い風となり、

相当なキャッシュが流れてきていることは明らかだろう。

そんな実態だったとしても、

周囲の会社や知り合いの経営者が中畑清ばりに絶好調だと聞くと、

経営者の性分として“焦り”が生まれるもの。

人間はそもそも相対的に物事を捉え、

人と自分を比較し、見栄を張り、

自尊心を保つために行動する割合が大きい生き物だと思うから、

「○○さんのところ2年目なのに月商○億いってるらしいよ」

「□□社長のところもう120人になって、今年更に採用強化しているらしいよ」

とかいい話ばかり聞いていると、

「負けていられない。」

「能力が無いと思われたくない。」

「自分でもできるのではないか。」

「少し余裕が出てきたし、うちもゲーム作ってみない?

はずれても、まぁ、大丈夫でしょ。」

という判断に陥りがちになる。

実際自分もそういう気持ちにならないかと言われれば、

たしかに意識しないといえば嘘になるし、

「そうか、う~ん、そうか・・・」と気にもなる。

ただ、そもそも事業の選択や規模の計画(スピード)は、

“最終的にどういった企業のありかたを目指すか”

によって決められるべきものであり、

企業の目標には例えば、

・一発ヒットアプリを作って大手に売って2・3億稼ぎたい

という経営者もいれば、

・アンドロイド向けアプリ開発企業としてアジアNo.1になろう

・3年で株式上場しよう!

・上場はしない。50人程度の社員をとにかく幸せにしたい

・手段としてアプリは創るけどもアプリ会社ではなく総合ネット企業になる

・100年続く企業グループを創ろう。

・仲間とワイワイ楽しくずっとやっていきたい。

などなど様々あるものだし、

それらが違う人たちと比較し、

勝手に競争し、焦ってもしょうがないとも思う。

こんなことを書くと、

「みな、それぞれに経営目標があり、

逆算で意思決定し、

その企業ごとに最適な手段を選択しているからそれで良いのでは?」

とご意見を頂く気もするが、

一方で決して少なくない数の企業が倒産し、

解散し、ある時を境に大幅に縮小をしているのを見てきた者としては、

あくまで自戒として、

そういったミスジャッジをしてはならないと常日頃から意識している。

名著と言われた『ビジョナリーカンパニー3』の、

衰退の5段階

・第一段階:成功から生まれる傲慢

・第二段階:規律なき拡大路線

・第三段階:リスクと問題の否認

・第四段階:一発逆転の追求

・第五段階:屈服と凡庸のあ企業への転落か消滅

ではないが、

すでにそういうミスジャッジをしていないかと、

点検するようにしている。

もちろん経営だから“勝負どころ”はある。

そこをはずすと跳ねるものも跳ねないのも事実。

結局は、

『事業センス』

ということになるのだろうが、

まだまだ力の無い企業として、

①収益を決定付けるKPIの観察を怠らず、

気になる動きを見せた瞬間に都度リスクヘッジに走る。


②新しいサービスへの投資は、

基本的に本業から生み出されたフリーキャッシュで勝負する。


③経営目標を3つ(A/B/C)用意し、

必要以上の成長を求めすぎない。


④決めた月次粗利益/営業利益を継続的に確保できるまでは、

を短期的に収益貢献をしない新規事業には取り組まない。

の4点を常に意識している。

ベンチャー企業と呼ぶにはイマイチな内容と捉えられる方もいるだろうが、

本音を書けばこんな感じである。

我々が目指す企業像は、

あくまで長期目線。

王道と言われる企業創りを追求し、

正しく勝ち残れる組織を創りたい。

まずは今の提供サービスの価値を、

いつまでにどこまで引き上げるかを決め、

ブラさずにそこにたどり着く。

その間たくさん儲かり話が舞い込んでくるだろうけど、

焦らず、我々らしく頑張ろうと思う。

改めて自戒の念をこめて。

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脱皮しないキメ

少し休んで深夜3時半@新大阪。

やっと落ち着いてブログを書くことが出来る。

前回のエントリーから20日以上、

本当にバタバタだった。

営業面で言えば、

自らもイチ営業マンとして新規営業に飛び回ることはもちろんのこと、

クロージング同行、毎晩の営業会議の実施、

そこから派生してロープレの実施、

新規事業の企画出しから企画書作り、

そのトークスクリプト作り、新規営業、オペレーション構築、

時にお説教や食事等による対話などなど。

同時に、

直接担当させて頂いているお客様への対応と打ち合わせがあり、

定期的にご紹介頂いたりご応募頂く方との面談が入り、

営業を仕掛けて下さる業者さんのご提案を受けたり、

夜にはわずかだが会食も入る。

結果、

これから始まる新卒第4期生の採用戦略の立案も

後手後手になってしまっており、

ホームページのリニューアル、facebookページの制作などは、

当初予定の今月末は完全にアウトあせる

とりあえずリクナビは申し込んだけど、

どうなることやら・・・。

まぁ、従業員20名ちょっとの企業の経営者なんて、

だいたいこんなものだろうし、

救われているのは、

たくさんの期待を寄せて頂いている分、

当座の資金繰りの心配はしなくていいことだろうか。

本当に、ありがたいことであり、

「おかげさまおかげさま」と何度も思う。

今日書きたいのは、

そんな忙しいんですよアピールではなく、

こういう時によく考えることを1つ。

それは、

この状態を、

「改善をしようとは思うが、脱皮しようとはしない」

ということ。

正確には、

“しばらくは”だが、

今はとにかく泥臭く、コツコツと、

1件1件お取引先を増やさせて頂こうと思っている。

これまでの自分であれば、

少し調子が出てきたらすぐにメンバーに全部任せ、

「ちょっと世間をあっと驚かすような新サービス考えるから、


現場はみんな頼むね。」

と言ってきて、

その都度失敗してきた。。。

1期目なんて、

売上げもろくすっぽ立っていないのに

こんな始末だったから大赤字だった。

今思えば、ありえないことだし、

画期的なサービスなんてどこにも生まれていない。

他社の経営者がどのように経営しているのかはわからないけど、

少なくとも自分は、

イノベーティブなサービスをじゃんじゃん生み出せるタイプではないし、

そこまで器用でもない。

また、

僕が意識させて頂いている先輩経営者の皆さんは、

やはり、本業を大切にしているのだ。

彼らは、誰よりも本業について詳しい。

同時にやはり現場を牽引する人材の採用と育成にも長けているので、

新たな取り組みも生まれ、伸びる。

やはり、

『本業の成長と採用』

という土台がしっかりしている会社は強いということだ。

現場にさらにどっぷり入って約2ヶ月強。

メンバーの意識、営業の展開力、粘り、相談の質は確実に良化し、

結果としての成約率の向上、成果の改善を感じることが出来ている。

小規模な組織ながらメンバー間の健全な競争も生まれ始め、

互いが互いを意識しだしている。

行き過ぎなければ、良い傾向だ。

まだまだ全然足りないけど、

顧客の数という意味での基盤はしっかりと拡大してきており、

今の我々に必要なことに向かって、

一歩一歩、歩めている実感がある。

しばらくはこれでいい。

自分も一人の現場担当として、

引き続き走り回る走る人

新サービスを考えることは面白く、

とても必要なことだとは感じるけれど、

何をやるにも資金が要る。

しかも安定的に使い続けられる資金を、だ。

それがなくて消えて行ったサービスを数多く目にしてきたし、

この身を削って得た資金を食いつぶしながら、

大胆なチャレンジを継続することは出来ないと思っている。

毎日毎日新しいサービスに手を出したくなるけど、

しばらくは、

『脱皮しないキメ』

地味でいい。

地味が、いい。

我慢我慢。

しばらくはサブマリン戦略でいこう。

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