なぜ「他社の選考を受けてから判断したい」はNGなのか。

先日、2016年度入社の第一号内定者承諾者を出すことができた。

いつもそうだけれど、まだ何も成し遂げていないノーブランドのヴァンテージを選んでもらえることはほんとうに嬉しい。

そんなS君とのやり取りでこんなことがあった。

僕:「内定を出す意志はある。ただし、僕達が内定を出すときは承諾してもらう時だ。お互いの共鳴度がピークに達するまで対話を続けたい。どうだろう?」

S君:「ヴァンテージさんが一番志望度が高いです。8割位は意志は固まっています。ただ、他社の選考も受けてから判断したいので、今ここでと言われると、、、」

新卒採用、中途採用に関わらずよくあるシーンだ。

無名な我々である。本当にあるあるだ。

いつもならそこまでは話さないのだけど、

今回のS君の目つき、地頭のよさを勘案して、今回は“要求”してみることにした。

僕:「他社の選考も当然受けてきていいよ。ただし、それが『なぜそう思うのか』と『その考えがどういう意味を持つか』しっかり考えて欲しい。

S君:「は、はい、、、」

僕:「『他社を見てから決めたい』と言ったS君の評価は、今、下がったよ。どういう意味かわかる?」

S君:「え、、、」

僕:「他社を見てから決めたいという人のホンネはどういうことかな?」

S君:「ここよりもいい会社があるかも知れないと期待している、ということでしょうか」

僕:「そう。つまり、相対的にその時の自分にとっていい会社を探してるんだよね。これはつまり、与えてもらうことしか考えてない人の発想なんだ。じゃあ、その会社に入ってみたら思ってたのと違ったり、5年後、10年後に会社に求める条件が変わったりしたら、どうする?」

S君:「…」

僕:「そういう人は転職する。何故ならば、会社、環境は選ぶものだと思っているから。そうじゃないんだよ。会社や環境は創るものなんだ。クリエーションするものなんだ。」

S君:「は、はい。。」

僕:「そこがズレてる。思考の出発点が違う必要以上に他社を見てから決めたいという人は与えてもらう人の発想なんだ。だから評価が下がったと言ったんだよ。

僕たちは今、まだ未完成のこのヴァンテージという組織を一緒に創ってくれる仲間を探している。タダ乗りするのではなく、創る側に回る意志がある同士を探している。

どんな組織だって自分にフィットしなくなる時がある。今のS君にとって想定的にマシな組織を探すことが就職活動じゃない。なぜならその結果選ばれた組織が5年も10年後もS君にとってマシな組織かどうかの保証なんてないからね。もしかしたら1年目からその希望は脆くも崩れ去るかもしれない。

そんな時に転職する人材か自ら切り拓こうと努力できる人材かを見ている。

発想のスタート地点が、「自責思考か他責思考か」を見ているんだ。


僕達が欲しいのは「自分で創ろうとする意志のあるメンバー」だから、相対比較する人はハッキリ言って物足りない。そんな人は多分ヴァンテージに加入しても決める側の幹部ではなく、幹部によって決められたことを粛々と守る日々になる。

であればベンチャーに入る必要なんて無いよ。全然意味ない。

自分に自信があるなら創ればいいじゃん。自分の都合のいいように組織なんて変えればいいじゃん。

結果はともかく、少なくとも初めから誰かが作った組織をただ守り続けるフォロワーなら要らないってこと。

大事なことを教えてあげる。

組織を選ぶ時に本当に見なきゃいけないこと、確認しなきゃいけないことは、その瞬間、その組織がどういう状態かではないよ。

確認すべきなのは、

自分が意見できる土壌はあるか、フェアに、ロジカルに判断される機能はあるか、そういう人間、僕のことだね、がマネジメントしているか、不条理、非合理な力学によって邪魔されないか、経営層の人材は邪魔しないか、変化をを厭わないか、変化した実績はあるか、実績を出せば抜擢されるか、、こういうところを確認しなきゃいけない。


伝わるかな?

この部分が大企業に比べて「◯」である確率が高いからベンチャーに入る意味があるんじゃない?

よくわからない力学やルールによって邪魔されないから、思いっきり暴れまわってもどんどん称賛されるから、変えられる可能性があるから、ベンチャーに入る醍醐味が有るんじゃない?

就活生も、転職希望者も、本当に自信があるならそこを確認しなきゃいけないのに大半の人は確認しない。「今どうか」の確認ばかりする。

自分に自信があって、変えられる土壌が有ることを確認できたなら、何で必要以上に他社を見る必要があるんだろう?

自分で言うのもなんだけど、ウチは変わり続ける意志、意見を言い合える土壌が有ることには自信を持っている。徹底的に是々非々文化。「正しいことが正しい」とされるように、僕も意見を変えることは有る。間違えることは当然あるしね。だから、ドンドン変えて欲しい。意見をして、一緒に創って欲しい。

1社目や2社目ならともかく、ある程度見て8割も「見つけた」と思えたなら、それはもう決めるタイミングじゃないのかな?そんなに無いよ。びびびっと来る組織なんて。

どう?自信ないの?

中途採用でもここまで話すことは少ないのに、学生にここまで要求するのは酷かなと思いながら、S君のポテンシャルを信じて求めてみた。

結果、S君は答えてくれた。

自分で言うのは憚れるけれど、それでよかったと思う。

「都合の悪いことは全部自分で変える」くらいの強い意志を持った仲間と戦いたい。

そういうモノの考え方を出来るメンバーとしか到達できないような目標を掲げているからだ。

先日発表された働きがいの有る企業ランキングで、2年連続表彰を頂いた。

働きがいのある組織として評価を頂くことはありがたいけれど、

このランキングを見て「応募」してくる人は要らない。

働きがいなんてだれも与えてなんてくれない。

自分で生み出すものだと思ってる。

久々にちょっと熱くなった面談だった。

来年また1人、頼もしい仲間がヴァンテージに加わる。

今から楽しみで仕方がない。

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やりたいことを我慢する必要なんて無い組織へ

先週のとあるメンバーの日報の感想欄。

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就職活動をしていた10年くらい前、

何となくマスコミ志望で編集者って面白そうだなぁという憧れを抱いていましたが、縁あって前職に入社しました。

当時は編集の仕事は出版社や新聞社でないと出来ないものと思い、編集についてはいつか機会があればやりたいなぁ・・・くらいで諦めていましたが、ヴァンテージにいる今、就活ノートのコンテンツ企画や記事編集など編集業務が出来ています。

それだけでなく、フツウの会社であれば出来ないであろう採用業務、広報業務、パンフやサイト制作などクリエイター業務、VIPのVTRなどのプロデューサー業務など興味関心を抱いていた業務を行っていて(ヴァンテージ加入当初はリクまどアポ架電や架電など営業もしていました!)、このフェーズで、ヴァンテージだからこそ、の特権(?)なのだと思っています。

これからヴァンテージが拡大していく中で、「本を書く」ということも叶えられますし、(昔の夢だった)「教師になる」ということもメンバーや他社の方々に対して考え方をお話したり正したりして叶えられますし、(ぼんやり面白そう・・・と思っている)「コンシェルジュになる」ということもヴァンテージリゾートホテルを創って余暇を使ってできるでしょうし、ヴァンテージにいるコト・ヴァンテージを面白い・大きい組織にするコトをますます楽しめるだろうと思います。

せっかくヴァンテージに集ったのだから、最大限このフェーズを楽しみ、欲張りに皆それぞれの夢を叶えていきましょう。

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素直に嬉しくなった。

僕自身も、

かつて、

「先生も面白そうだな」って思ったけど、
「あ、経営者になれば社員に"教える"ことができるから満たせるな」

「森ビルとかの大規模都市開発とかおもしろそうだな」
「あ、グループ会社で不動産開発会社やればいいんだ」

「政治家になって法律創るってなんだか面白そうだな」
「あ、会社を大きくして政治団体作って影響力を持てば可能になるかも」

などという『思考プロセス』を経て、

「多岐にわたる事業ドメインを保有する世界規模のグループ組織を創ろうという夢」

に行き着いた。

どんな人にも夢や希望はあると思う。

色々な制約もあると思うけれど、

是非、少し柔軟な発想で考え、簡単に諦めないでほしいと思う。

産休中のメンバーもいるけれど、

これからは在宅での仕事、社内クラウドワーキングも確実に増える。

海外に住みながらでも、

地方の実家を継ぎながらでも、

その努力を続ければあらゆる働き方が可能になる。

多様性が許容されていくと逆に悩み苦しむ人も増えると思うけれど、

社会的な理解やインフラが整っていく過程で、

努力したメンバーが報われ、

やりたいことを我慢しなくてもいい組織を創りたい。

そのためにはメンバー一人一人の努力が要る。

そんな絵に描いたような組織は、

タダでは降ってはこないし、誰も用意なんてしてくれない。

一人ひとりがプロとして責任を果たし、

高い次元で口々に理想を語り合える組織を、

引き続き目指す。

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