創業の地に『新橋』を選んだ理由。

2008年夏。

丸6年お世話になった前職から独立することが決まった時、

どんな事業をやるかよりも先に決めていたことが3つある。

1つ目は、

『何をやるかよりも、


有能な人材が磁石のように引き寄せられる魅力的な組織を創ろう』

ということ。

2つ目は、

『やるからには世界で勝負しよう』

ということ。

そして3つ目は、

『創業の地は、“新橋”にしよう』

ということ。

3つ目の理由はただ一つ。

“株式会社リクルートという会社の創業の地”

だったから。

ただそれだけ。

金曜日。

お会いしたことがあるわけでもなく、

リクルート社員だったわけでもないが、

もっとも尊敬し、

もっとも真似をしようと試み、

もっとも勉強させて頂いた偉大な経営者、

江副浩正氏が逝去された。

これぞまさしく、

一つの時代の変わり目なのだと思う。

江副さんが築き上げたリクルートという企業とその文化は、

他の会社のそれとは意味合いが違う。

多くの企業は、

「サービス」

を生み出したが、

江副さんは、

「サービスを生み出す“リクルートという文化と遺伝子”」

を生み出した。

前者は時の流れとともに朽ちていくが、

後者は朽ち果てることはない。

歌舞伎や能、書道や武道がそうであるように、

人類が滅びない限り、

時には昇華し続け、

色褪せることなく語り継がれるのだ。

そんな組織を後世に残したいと思う。

僕自身、

大企業をゼロから創造することを本気で目指している以上、

ゼロから出発し大企業へと変貌を遂げた事例は幾つも読み漁ってきた。

三菱財閥、三井財閥、住友財閥、安田財閥、伊藤忠財閥、

トヨタ、松下、ソニー、ホンダ、シャープ、セイコー、

オークラ、ヤマト、ソフトバンク、ユニクロ、セコム、HIS・・・。

そこでの気付きを集めて創り上げた弊社の経営の指針は、

結果としてその多くを“リクルート江副式”から真似させて頂いた。

とにかくどんなサービスを生み出すかよりも


まず企業文化と人材。


事業はそこに集ったメンバーで創り上げる


という指針は崩さず、


有能な人材が集まる場所、


その人材の能力を引き出す組織文化を創造することを優先する。

どんな表現を使っても陳腐になる。

とにかく実践あるのみだ。

「ビルゲイツ前、ビルゲイツ後」「Google前、Google後」という表現があるが、

僕はきっと、

『江副浩正前、江副浩正後』

と言われるくらいに、

歴史が江副浩正氏の功績を見直す日が来ると思っている。

リクルートの上場を見ずに逝去されたあたりが、

江副さんらしいのかもしれない。

おもろい組織を創ります。

ありがとうございました。

心からご冥福をお祈り申し上げます。

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