“組織”はメンバーが思いっきりビジネスに没頭できるセーフティネットでありたい

大変恥ずかしいことだけれど、今月あるミスによりお客様に御迷惑をおかけしてしまい、相応の賠償をさせて頂くこととなった。
こういったことは本当になくさなければならない。

それに伴い、創業間もない頃に制定した、
「ルールに則らない業務過失によって発生した損害に対する、個人の賠償規定」
も見直すこととした。

当時は「業務上のルールがある以上、ルールに沿って運用されるべきであり、故意でなくともミスにより発生した損害には一定の(数%前後)責を個人も負うべき」との考え方から、規定を設けていた。

今回改めて考え直す意義を感じ、責任者を集めて意見を求めると、
「組織としては、そもそも個人の属人的なミスにより損害が大きくなる前に気付ける仕組みそのものを作らなければならないわけで、悪意がないのであれば連帯責任でよい」
や、
「もちろん過失に対する責任は重く受け止める必要があるけれど、その重みから前向きなモチベーションが削がれるのは本意ではないのではないか」
といった意見が大勢を占めた。

結果、この規定は廃止することとした。

 

従前は、「それでも質の高い業務を抑止力として僅かでも負担させるべきではないか」と思っていたからこそ規定を設けていたが、改めて組織が果たすべき役割について自分なりに考えてみた。

例えば今回の件も、個人事業主であればどんな理由があれども100%個人で負担、保証しなければならない。それは本当に大変なことでありり、リスキーなことだ。

他方、組織として運営している利点は、そういったリスクを互いに背負い合い、保険としてのストックをシェアするところにある。

無論、株式会社である以上株主利益を毀損してはならないし、その程度次第では一般的な会社にある通り解雇等も辞さない姿勢で接する必要がある。またそれを認識させる義務もある。

ただ、その程度の如何によっては(これがまた難しいのだけれど)、それまでの蓄えによって極力補填し、前を向いて成果でリカバリーするセカンドチャンス、サードチャンスを生み出すことが、組織の役割であり、組織で働くメリットの一つだと思う。

真っ当な考えができるメンバーを仲間にしている自負があるのであれば、ミスに対する反省や、組織に与えてしまった損害に対する責任を感じていることを信じ、前向きにエネルギーが向くようにサポートしてあげたい。

それは決して近視眼的な間違った優しさなどではなく、株主の資本を預かる経営者として、そちらの方が結果としてエネルギッシュな組織が創り出され、顧客価値の創造が最大化され、株主価値にも還元され得るという冷静な判断と思っている。

共に同じ釜の飯を食べて戦う同志には、生活に不安が生じない報酬や健康面その他含めた厚めのサポートを提供し続けたい。ダウンサイドリスクに対して出来る限り組織がバックアップし、セーフティーネットを厚くして、安心して取り組んでもらうことで、激烈にハードワークできる環境を整えていきたい。

その上で、結果を出し続ける面々には、アップサイドも存分に享受できる制度を設計し、比類なき組織を創り、人のプラットフォームを実現していく。

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