絶対に世界企業になる。

4月が終わり、

暦どおり、ゴールデンウィークに入った。

4月を最終月とした第3クォーター。

新卒2期生の2名が加わり、

相変わらずのスクランブル体制ではあったが、

結果は、

過去最高の成績だった。

目標としていた粗利額を、

20%も上回ることができ、

お客様に喜んで頂くための投資も、

メンバーの待遇も、

更に改善させられる内容になった。

しかしながら、

今日は、それについて書きたいわけじゃない。

4月は同時に、

ずっと前から気付いていながら、

ずっと変えられずにいることについて、

改めて向き合うことになった。

そのことについて書き留めておきたい。

きっかけは、

採用活動。

4月、

ここ2・3ヶ月の間に出会った2名の方との出逢いが、

一旦、白紙になった。

色々な理由はあるだろうけど、

詰まるところ、

我々に、

僕自身に、

我々の未来に、

魅力が無いからだと理解している。

確かに、

おかげさまで足元の業績は何とか回っている。

メンバーのモチベーションも高く、

我々に期待を寄せて頂いたクライアントへのオペレーションも、

まだまだではあるが、

日に日に改善されている。

ただ、

どこまでも普通なのだ。

「普通のベンチャー」

いや、

普通な時点で、

ベンチャーではない。

別に、

何でもかんでも奇をてらって、

おもしろおかしくやればいいというわけではない。

これだけ不確実な経済環境の中で、

しっかりと地に足をつけて、

雇用を守り、生み出していかなければならない。

そういった話ではなく、

我々が描く世界観と言うか、

目指している目標や、

それが実現したときの世界の風景だとか、

その意義だとかが、

見せられていないし、

伝えられていない。

つまり、

自分自身でも、

まだ見えていないということの表れなのだ。

口々に語る壮大なストーリーの中に今があり、

その序章を走っていると実感を、

メンバー自身が体感している状態。

数多ある中小零細企業から一気に抜け出すには、

常にその状態になっていなければならないのに、

全くなっていない。

せっかくベンチャーを創り、

メンバーも、

前職よりも待遇が下がり、

どこまでやれば報われるのかもわからない環境に飛び込んで、

平日も終電まで、

土日もなんだかんだ家やオフィスで仕事を頑張る。

確かにそれはそれでとても楽しいことではあるけれど、

単に若いメンバーで構成された中小企業を作りたくて、

会社を始めた訳ではない。

いつまでも普通ではいけない。

そう強く危機感を抱いている。

久しぶりにgoogleについて書かれた本を読んだ。

グーグル 10の黄金律 (PHP新書)/桑原 晃弥
¥756
Amazon.co.jp

非常に刺激をもらった。

誰しもがgoogleになれるわけではないが、

googleも、アマゾンも、MSも、

松下電器も、本田技研も、日清食品も、京セラも、ソニーも、オムロンも・・・

みんな、

初めから世界を見ていた。

googleの創業者二人が、

知人のガレージを借りて事業をスタートさせたことは有名だが、

二人はそのガレージにこう掲げている。

google 世界本社

社員12名しかいないときに、

有名なロックバンドの専属シェフに声をかけてこういった。

「僕たちの会社は何万人も働くようになるよ。シェフが必要なんだ」

すぐに採用には至らなかったものの、

その後一般応募してきたそのシェフの採用でさえも厳格に行い、

何人もの不合格の後、

その彼をストックオプションつきで採用している。

社員番号は56番。

55人しかいない会社が、

専属シェフの採用だ。

無論、VCの出資に支えられていたからこそ出来たわけだが、

それによりエンジニアが開発に専念し、

VCに多額のリターンをもたらしたことを考えれば、

是非論など空虚だ。

売上ゼロ、利益を挙げる手段も思いついていない段階で、

セコイア含む2社の最強VCに対して、

自社のバリュエーションは1億ドル(80億円)だとプレゼンしている。

「売上ゼロの会社が、80億円の価値・・・」

実際、

両社は2人の言うとおりに2500万ドル(20億円)出資し、

サーゲイはこう言い放つ。

「いい条件に落ち着いたと思うよ。

ベンチャーキャピタル側は高すぎると思ったみたいだけど、

僕らにしてみれば安すぎたくらいだ。」

結果、

投資して5年後、

両社が投資した分の株価は、

30億ドル(2400億円)に跳ね上がっている。

20億円が、2400億円だ。

もう一度書くが、

誰しもがgoogleになれるわけではない。

むしろ、

ほぼ全ての企業が、倒産し、廃業の憂き目に遭う。

ただ、

彼らが急成長を遂げることができたエッセンスを、

googleだからと、

アメリカの、資金調達環境の恩恵がと、

簡単に片付けてはいけない。

東京通信工業や、本田技研や、立石電機が、

世界的VCから何百億円も出資を受けていただろうか。

そんなことは無いのだから。

本にも出てくるが、

彼らは本当に採用を大切にした。

最低でも6人の経営陣もしくは未来の同僚が面談し、

全員で採用を決定する。

採用倍率は、

応募資格が厳格な上に、

更にその応募者の中の1%程度の合格率だという。

採用基準の大きな柱に、

「自分よりも優秀な人物を採用する」

とある。

多くの企業が頭ではわかっていて、

なかなか、

いや、全く実践することが出来なかったことを、

彼らはなんと愚直に実践しているのだろう。

個室を用意していた時期もあり、

その弊害を実感した後は、

大部屋でのプロジェクトごとのコミュニケーションを大切にしていると言う。

福利厚生を減らせば「普通の会社になった」と叩かれ、

たくさん離職者も出し、

試行錯誤をしているではないか。

週に一度、

メールでプロジェクトの進捗状況をメンバーと共有していると言う。

やっていることの根本は、

そんなに大きくは変わらないではないか。

では、何が違うか。

結局は、

「強烈なビジョン」

なのだと思う。

我々はどこに向かうか。

何を成し遂げるために存在しているのか。

それが強烈に示され、作用し、、

逆にそれが薄れかけた時、人が去っていく。

googleはそれがはっきりしている。

今の我々は、

これを明確に伝えられていないがゆえに、

魅力的な仲間を、

逃してしまうのだ。

強烈な目標があり、

それがビジョンとなり、

ある種の異常な状況の中で組織が突き進むとき、

きっと、

引き寄せられるように人材は集まってくる。

「俺もやらせてよ」

そういって自然と仲間が集まってきた小学校や中学校の休み時間。

あの状態に、

きっとなる。

採用手法についても色々と考えた。

でも、

やり方は変えない。

変えなければならないのは、

僕自身、我々組織に内在する


強烈なビジョンの共有度、本気度

だ。

それが必ずパワーになる。

ものごとには順番がある。

焦りも強い。

ただ、目先の現象に一喜一憂するのではなく、

もう一つも二つも目線を上げていかねばならない。

今はまだ、

陳腐な言葉しか思いつかないけど、

これから出逢う仲間に伝えよう。

『絶対に世界企業になる』

と。

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