先日拝見した、
ネット事業、「一番早く参入」は勝利の条件か 森川亮 LINE社長
という記事を見て、
非常に共感した。
一昔前までは、
アメリカではやっているサービスをいち早く取り入れて、
ローカライズして新サービスとして売り出す、
いわばタイムマシン経営が通用した。
だが現在では、
ソーシャルメディアを通じて、
世界中の最先端の情報が秒速で知ることができ、
google翻訳で一発で翻訳することができ、
oDeskなどのクラウドソーシングを通じてでも、
タイやインドネシア、ベトナムにオフショア開発するでもよいが、
簡単に、そして安価にwebサービスの開発を依頼できるようになった。
そうなってくると、
どこかで流行った(ている)サービスを真似するプレーヤーは
一昔前に比べて格段に増えているわけで、
タイムマシン経営は通用しにくくなっている。
この条件下でゲームをするのであれば、
資金力のあるいわゆる大手が明らかに勝つ確率が高い。
保守的な古い体質の大手ではなく、
資金力もあり、
ネットやソフトウェアに見識がある、
超フットワークの軽いソフトバンクや一部事業会社のVCなんかが、
きっと勝利する。
現にgoogleやFacebook、
MSやappleやamazonなどは有望なベンチャーをバンバン買っており、
日本でもソフトバンク、楽天などがアグレッシブな動きをとっている。
なので、
会社を始めるのであれば、
乱暴に分類すると、
①サービスを当てて、大手にバイアウト
②サービスを売らずに、組織を創り上げて長期に規模の拡大
③そのどちらでもなく小規模で生きながらえていく
のいずれかの路線で行くのかを決める必要があると感じている。
①を選ぶのであれば、
有能な技術者を一人でも口説き落とし、
短期的な売上以上に、
投資家を唸らせるサービスを徹底して磨き上げる必要がある。
我々は②を選んだわけだけど、
②の場合誤解されがちなのは、
イノベーティブなサービスを創り、
世界に変革をもたらせていくことを狙わないということである。
それは、誤解である。
メタップスの佐藤社長が書かれていたように、
>自分の経営している会社が
>イノベーションを目指すベンチャー企業なのか、
>100年続く優良企業になりたいのか、
>その目指す方向性も恥ずかしながらわかっていませんでした。
>というか2つの違いがよくわかりませんでした。
>ひとくくりで「会社」でした。
この部分については、
個人的には、
やはり、
両方を満たすべきではないかと感じている。
それにより、
いわゆる桁違いの速度での成長が奪われる可能性はあるものの、
絶対に両立できないものではないと
>ベンチャー企業であれば目的は市場の破壊と創造が最優先。
>優良企業を目指すのであれば、
>企業の継続性と雇用の維持のほうが最優先にあります。
>自社は実際にはそのどちらでも無くて、
>イノベーションだとか言っておきながら、
>「失敗しないように」少しづつ投資をして勝負なんてまるでしていませんでした
このあたりの危機感や、焦燥感は尊敬に値するものであり、
短期でのイノベーションを目指す以上、
これくらいの割り切りが必要なのだと思う。
一方で、
>そして前述した桁違いの速度と規模で成長していた企業は
>あきらかに「ベンチャー企業」であり「イノベーター」であって、
>堅実な優良企業になるとは創業者達は考えてはいません
>(周囲の人達は考えていたと思いますが)。
>実際に各社上場した後もまったく安定はしていません。
>どちらの条件も両方満たすのが一番なんですが、
>勝負する時は何を優先するかが重要になります。