「リソースがもうちょっとあれば」
「人がもっといれば」
「これくらいの仕事ができる部下が入れば」
そう嘆く人がいる。
そんな人はどこか誤解をしているようだ。
今の事業が軌道に乗り、会社の業績があがり、
余力が出来てきたらそれらが「解決される」と思っている。
そうではない。
成長を志す経営者という生き物は、
多少の余力ができたらまたすぐ投資をする。
それはもちろん人材への投資かもしれないし、
新しい事業への投資かもしれないし、
拠点の展開かもしれないし、
社内の効率化を目的としたシステム投資かもしれない。
ただ人材に投資されればリソース足りない問題は解決するか、
そうではない。
なぜならばその分だけ目標とするバーも上がるからだ。
つまり、
「成長、即ち満ち足りている状態を作らない経営陣が率いる組織である以上、一生何かが”足りない”状態が続く」
のだ。
こう書くとネガティブに捉える人もいるかもしれない。
ただ、真理はいつも大体逆。
少しでも余力ができたら「すぐまた投資」する”思考回路”だからこそ、
業績が伸び、そこに属する人々が大きな不自由なく過ごせるのだ。
組織も事業も下りエスカレーター。
常に下降圧力が働いている。
つまり、
今よりも上に上がる意志を強く持って(歩く以上の努力)して初めて
“現状維持”が出来る。
必要以上の余力を作らず、慢心せず、常に健全な危機感を持ち、
常に新たな何かに投資をし続け、常に上昇志向を持つ。
メンバーが心身ともに健やかにチャレンジできる環境整備も同じ。
全ては健全な危機感から来る上昇志向がもたらしてくれる。
今よりもより良くあり続ける努力を続けることは楽ではない。
リソースが足りないのは確かに大変だ。
しかしながらだからこそ”知恵”を出すメンバーが誕生する。
知恵を出さないとクリアできない状態が続くからこそ、
何人かに一人は急激に成長を遂げる。
そういった組織を”成長環境”と捉えるか、
“ただきつい職場”と捉えるかは、その人次第だ。