ベンチャー企業で働く「意味」と「誤解」

先週の日報に、

昨年の秋に某超大企業グループから加入してくれたメンバーMが

こんなことを書いてくれた。

> 最近思うことが、

> 仕組み化することで問題は本当に解決するのだろうかということ

> これって、私が見てきた大企業と同じだなぁ、

> こわいなぁと思うのです。

> なぜなら、すべての人がすべての仕組みを覚え、

> 実行することは難しいことを見てきたからです。

> ディズニーのような、「SCSE(Safety(安全)、Courtesy(礼儀正しさ)、

> Show(ショー)、Efficiency(効率))」という行動基準

> もしくは判断基準を徹底的に鍛えることのほうが

> 仕組みがないものに対して困ったときにどう行動すればいいかわかるし、

> 判断力が鍛えられるのではないかとか

> それが企業文化になるのかなとか思ったりします。

前後の内容含め非常にいい気付きだったので、

この感想に対して長文で考え方を返信し、

全体にも投げかけをしてみた。

論点は大きく2つ。

1つ目は、

大切なのは「仕組みと哲学がリンクしていること」であり、

『仕組みが増えること=悪=大企業化』ではない

ということ。

我々ヴァンテージは会社が出来て5年半。

webマーケティングの支援を始めて4年3カ月。

前Qから課題が色々と露呈して、

特に最近、連続的に仕組みを増やしているけど、

それがイコール悪ではない。

底流に流れる行動哲学を共有していきながら、

仕組みを(増やしつつではなく)高度化しつつ、

形骸化している不要な仕組みはなくしつつ、

買い手(顧客)良し、売り手良し(我々)、世間良しを実現していく。

過去の仕組みを捨てられない、

老廃物が沈殿するような組織にだけは、

絶対になってはいけない。

2つ目の論点は、

そこに属するメンバー自身の心もちについて。

今回の仕組み(ルール)の新設しかり、

何かしらのコミュニティに属していればルールは存在するし、

時を経ていく中で増えていくことも往々にしてある。

この事実に対して、どう向き合うかを問い続けたい。

現在も新卒にせよ、中途採用にせよ多くの面接をしているけれど、

・ベンチャー企業に入れば(入るだけで)スキルが付く

・ベンチャー企業に入れば(入るだけで)早期に昇格できる

・ベンチャー企業に入れば(入るだけで)働き甲斐が手に入る

という誤った認識を持っている方が多い。

質問すれば「そんなことはない」と否定すると思われるけど、

話していればわかる。

「大手企業では成長できない」という誤った認識を持っている方も、

実際かなり多い。

でも成長はその人次第で、

ベンチャーでも大手企業でもどこでもできるし、

ベンチャーでも成長しない人は成長しない。

繰り返しになるけど、

ベンチャー企業に入ればスキルが付く…わけではない

ベンチャー企業に入れば早期に昇格できる…わけではない

ベンチャー企業に入れば働き甲斐が手に入る…わけではない

この辺りを勘違いしてベンチャーに転職してくる方々に、

声を大にして言いたい。

「意思決定側に回る気がないなら、大手にいた方がいいぞ!」

と。

ベンチャー企業に入るメリットは、

例えば、

・年次年齢に関係なく意思決定側に回れる(回りやすい)

・成果を出せば大手ではありえないスピードで昇給、昇格できる

・会社の成長、発展を自分の手柄だと認識し誇りが持てる

・会社の仕組みが作られている過程に口を挟める

・会社の全体像を掴むことが出来、日々連帯感を感じながら過ごせる

・新しい事業創出など自分の道をある程度自分でコントロールできる

ことだと思っているから、

・会社の全体像を掴むことが出来、日々連帯感を感じながら過ごせる

・会社の成長、発展を自分の手柄だと認識し誇りが持てる

このあたりで満足感を得るのもいいけれど、

やっぱり「意思決定側に回ってほしい」と思っているところがある。

今回感想を書いてくれたメンバーでいえば、

> これって、私が見てきた大企業と同じだなぁ、こわいなぁと思う

で終わらせずに、

『「皆さんはどう思いますか?」と言ってみる』ことがとても重要。

「声を上げる」ことすらできないままだと、

「取締役や幹部メンバーが決めた仕組みを

ただただ「実行」するサラリーマン」

で終わってしまう。

意思決定側に回れないメンバーからは、

「じゃあどうすればいいんですか?」という声が聞こえてきそうだけど、

これもいつも話している通り、

・持ち場で成果を出す

・成果が出せなくても”片鱗”を見せる

しかない。

特に規模の小さな組織においては、

「片鱗を見せる」ことにより得られるリターンが、

大企業よりも圧倒的に大きい。

長くなるのでその理由はまたにして、

メンバーにはとにかく

「えっ、○○いつのまにそういう判断ができるようになったんだ?」

「あ、○○はこの視点が持ててるんだ」

「ほう、この前の指摘した部分は直してきているな」

などなど、

日常のやり取りの中で片鱗を見せてもらいたいと思っている。

毎日たくさんの”同じ情報”が僕とメンバーの前を通過する。

その中で「気付いた量」はみな同じなのか。

違う。

気付いた自分に自信を持って、

判断する、声を発するという行為=打席に立って、

その機会を持って、

自らの人生をプロデュースしてもらいたい。

なんだかリクルートの社訓みたいになっちゃったけど、

我々は、

「理想の組織なんてない、創るしかない」

という考え方の元に集ったメンバーしかいない。

こんな議論はもちろん、

現状に満足せず、気付く事が出来る、

上質な議論を交わせる強い組織にしていこう、みんな。

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