先日の日経だったと思うが、
トヨタの社長に就任された、
創業家の章男社長が、
現在のトヨタの現状を、
「5段階で言うところの4段階まできている」
と表現されていた。
これは、
ビジョナリーカンパニーの著者である、
ジェームス・C・コリンズさんの説だったと記憶しているが、
企業の衰退の段階には5つのフェーズがあるという。
【企業が衰退していく段階】
第一段階
『成功体験から生まれた自信過剰』
第二段階
『規律なき規模の追求』
第三段階
『リスクと危うさの否定』
第四段階
『救世主にすがる』
第五段階
『企業の存在価値が消滅』
多くは大企業をベースに研究されたのだろうが、
中小、ベンチャー企業にも当てはまる。
第4段階・・・。
一般のメンバーの場合、
「たしかになんかまずいよね」
「このままだと、ちょっとやばいかも」
なんてどこかで思いながら、
何か打開策を案じるわけでもなく、
低いレベルになると、
組織全体の雰囲気の悪さを愚痴り、
退職する人間を肯定したりし始める。
根っこあるのは、
「きっと誰かがやってくれるだろう」
「きっと○○さんが何とかしてくれるだろう」
という思いだけで、
何もしないし、
できない。
そのレベルが、
組織のどのレベルまでを占めているかで、
滅びるか否かが決まるのだと思う。
最近とある著書で目にしたタイトルの言葉。
『不確実性の加速』
現代の産業構造の変化を表現したものだが、
わずか2年前に2兆円の利益を叩き出していたトヨタが
今ぶつかっている危機もそうであり、
日々、
あらゆる情報に触れるたびに、
本当に共感する。
10年後、20年後の世界。
それは、
10年前、20年前と現代との間に生まれた差とは、
明らかに違う世界。
インターネットの勃興が、
情報産業の構造を変え、
結果として、
時間軸を変えたことは言うまでもない。
自動車は、
20年後には誰も運転していないかもしれない。
ガソリン自体が要らなくなっているかもしれない。
世の中からガソリンスタンドが消えているかもしれない。
温室効果ガスは、
25%どころか、
50%くらい削減されているかもしれない。
i-phoneに限らず、
みんなテレビ画面に指を当てて、
全ての買い物を済ませているかもしれない。
そのとき、リモコンは無いかもしれない。
でも店舗はなくならないという人は多い。
果たしてそうなのだろうか。
携帯もそう。
ネットブックの台頭と携帯の高機能化の間で、
これから何が起こるのか。
携帯のHPを作る会社や、
携帯検索サイトでのSEO業者が伸びているが、
PCのブラウザを携帯で起動させることが一般的になれば、
そもそも不要になってしまう。
ソフトは全てダウンロード、
データも全てクラウド、
ポータブルゲームのハードは不要となり、
ソフトプロダクター以外は消滅しているかもしれない。
財布の中からキャッシュカードが無くなり、
ありとあらゆるポイントカード、クレジットカード、
定期、免許証・・・全てが無くなっている事も、
容易に想像される。
そうなれば、
カードケースという商品も、
財布自体も、
無くなるかもしれない。
携帯は、
もはや“携帯電話”などという呼び名ではなく、
“ライフガジェット”TM的な存在となり、
携帯電話屋さんという概念も無くなり、
街中にアプリのダウンロード機器が
溢れているかもしれない。
ただの“案内”、
単なる“商品説明”、
“パンフレット営業”以上の付加価値を出せないサービスは、
全て、
デジタルに取って代わられる可能性がある。
事業をやる以上、
こんなことは当然織り込んで、
そもそも全否定する視点を、
持ち合わせながら走る必要がある。
先日とある方との食事の席で、
こんな話を聞いた。
その方の友人経営者(とても有名な方)のお話らしいが、
「中国のとある150人くらいのゲーム会社に出資したら、
3年後の今、
社員数が5000人になったよ。
○○、
人口10倍っていうのは、とんでもないぞ。」
世界は変わる、
まだまだ変わる。
全てが根っこからひっくり返るくらいのイノベーションが、
まだまだ無数に起こる。
確実なことは何も無い。
あるのは、
「全ての概念は変わる」
という事実だけ。
そのとき自分はどこで何をしているか。
それも、
大事。