手に入れてこそ~ベンチャーの真の醍醐味~

大手企業のような顧客基盤や、

ビジネスのワークフローが整いきっていないベンチャー企業は、

相対的にタスクが多くなる。

大手企業であればアシスタントがやるようなことも、

派遣さんやアルバイトさんがやるようなことも、

個人でたくさんこなさなければならない現実がある。

加えて我々のように成長を標榜する企業は、

営業時間はお客様のためにめいっぱい使うべしととらえており、

場所やスタイルは問わないものの業務に費やす時間は総じて長い。

これは否定できない事実。。

ただそれは、

程度の差こそあれどこのベンチャー企業も同じ。

ではなぜあえてベンチャー企業を選ぶのか。

それは、

大手企業では手に入らない“何か”が手に入るから

に他ならない。

ただ、

強烈にその“何か”を手に入れようと具体的にイメージし、

努力を継続しているビジネスマンは案外少ないのではないかと思う。

知らず知らずの内に日常に慣れ、

「これって非効率だよなー」なんて思っているのに変えることもせず、

変え“られる”ことさえも忘れてしまっている。

月曜日、そんな話をした。

ベンチャーの醍醐味とは、

大手企業では手に入らない“何か”を手に入れられることだと。

その“何か”とは、

大手企業では手に入らない昇格スピードかもしれない。

上場企業183社の昇格スピードを調べた資料によれば、

係長になれる平均年齢が、

なんと39.6歳。。

課長が45.1歳、部長が50.7歳だという。

伊藤忠から転籍してきてくれたメンバーによれば、

係長が40歳で、部下数がやっと6・7名とのこと。。。

申し訳ないが、ワクワクしない。

価値観は様々でいいけれど、

「20代で早々にマネジメント、


30代で課長はおろか経営サイドに加わる!」

なんてキャリアを手に入れてこそ、

ベンチャー企業はおもしろいのであって、

38歳でやっと課長になっていては、

それまでの苦労が報われない。

その“何か”とは、

大手企業では手に入らない年収かもしれない。

こちらも上場企業245社の賃金調査資料によれば、

1年間の平均昇給額は、

なんと月給5752円とのことだ。。

ただし、ずっと上がり続ける。

でもそんな仕組み、

全然ワクワクしない。

使い古された表現だけど、

「20代で年収700万円、年収1000万円!30代で2000万円!」

なんて報酬を手に入れてこそ、

ベンチャー企業はおもしろいのであって、

30歳で350万円とか37歳で470万円とかでは、

競争が少ない大手企業の方が良かったのではないかとなる。

もちろん色々な意見は見方はあると思う。

役職や年収といった分かりやすい月並みな例を挙げたけれど、

その“何か”とは、

例えば、

事業の仕組みを創ることに意見することかもしれないし、

1年目から新規事業に首を突っ込ませてもらうことかもしれないし、

世の中にないサービスを生み出し圧倒的な名声を手に入れることかもしれないし、

抜擢されて先輩を追い抜いて自信をつけることかもしれないし、

自社サービスの料金プランを変えることを提案することかもしれないし、

他部署の業務フローに口を出し効率をカイゼンし、


「あの成果は俺のおかげだな。フフ。」と悦に入ることかもしれないし、

ノリで社長を誘って、

スポーツバーで観戦をしながら社長と一緒に夢を語ることかもしれないし、

私服で会社に来て、たまにカフェで仕事をすることかもしれないし、

オフィスでビールを飲みながら仕事をすることかもしれないし、

会社を上場させてストックオプションを行使したり、


「オレ、社員番号○○番なんだよ」って自慢することかもしれないし、

1年に何回も海外に旅行に行くことかもしれない。

日常の中に大手企業では手に入らない“何か”は転がっており、

それらを貪欲に取りに行かなければ、

それまでの過程は単なる苦役でしかなくなる。

日々本当に努力を重ねてくれていると思っているし、

メンバー自身のためにも、

その“何か”を掴み取ってもらいたい。

全ては大手企業では手に入らない“何か”を、


手に入れてこそ報われる。

もう一度書く。

手に入れてこそ

だ。

その“何か”は人それぞれの価値観があっていい。

とにかく具体的にイメージし、

自ら捕らえ、

絶対に手に入れてやるという執念を持ってほしい。

この文章を書いている今、

オフィスには、

何人ものメンバーがギャーギャー言いながら業務に邁進している。

長くやることを推奨しているわけではないけれど、

本当に誠実だし、努力家だし、真面目で一生懸命な仲間達だ。

まだまだ弱小ながらベンチャーを経営するものとして、

おバカでやんちゃで愛すべきメンバー達全員に、

それぞれの“何か”を手に入れてもらいたいと真剣に願っている。

そして、

自分自身のプライドにかけて、

手に入れさせないと経営の負けだと思っている。

一度しかない人生、

共にベンチャーの醍醐味を、

味わい尽くすのだ。

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