勉強代と大企業の昔

最近何かのミスが発生したり、

お客様のご期待を下回ってしまう度に話すことがある。

まずそのミスは、

①仕組み(ルール)がある中でのミスなのか


②仕組み(ルール)が無い中でのミスなのか

のどちらなのかを判断させる。

①の場合、

仕組みに穴があれば即カイゼンする。

フォーマットや資料の表現の問題であれば即時修正。

即時であることが重要。

と同時に、

とはいっても仕組みがある中でのミスなので、

そのメンバーのミスの発生で、

対応や指導のレベルを決める。

発生率が多いメンバーは、無論評価が下がることも伝える。

②の場合は、

こちらもそのトラブルの発生を勘案し、

仕組み化するレアケースとして処理するか決める。

仕組み化については、

基本は「ルールは最小限」という思想に則って、

極力作らない。

責任の取り方で言えば、

①の場合は、本人とマネージャー陣で、

②の場合は、本人は一切責任を負わず、

仕組みか出来ていなかったマネージャ以上が責任を負うべきと考える。

金額の大小に関わらず、

それによって失った信頼やご契約は、

全て『勉強代』と考えるほか無く、

1つ1つの事象からまさしく学び、

組織力、オペレーション力を強化していくしかない。

一つ一つ反省すべきは反省し、

同時に、

強化できる大変ありがたいチャンスを頂いたと考えるようにしている。

企業や事業の成長とは、

そういった勉強代をいかに多く支払ったかと比例すると考えており、

「うっ」ってなる時もあるけれど、

とにかく組織としての場数を踏んでいくこと以外に近道は無い。

場数をたくさん踏むためにも、

やはり『スピードはクオリティ』だと思う。

無論、「ヒヤリハットの精神」で、

先んじて手を打っていくわけで、

徹底してオペレーションを磨き上げていく。

失敗から学ばない組織は、

絶対に落ちていくだけだから。

よく大企業は、

「一つの決済にハンコが15個も必要」

とか、

「とにかく書類や社内決済関連業務が多く時間がかかる」

なんて聞く。

それはきっと事実なんだろうけど、

新日鐵も日立もシャープもグリコも、

創業当時からハンコが10個も15個も必要だったとは思わない。

三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎が、

長崎で船で物資を運んでいた時は、

「いいじゃん、やっちゃおうよ」

「契約書?そんなもん後でとりあえず運べーー。」

なんて言っていたんじゃないだろうか。

その中でトラブルが起き、

幾多の問題に直面して都度向き合い、

まさしく多額の勉強代を支払って、

今日の仕組みを作ってきたのではないかと思う。

その結果の「ハンコが15個」なのではないかと思う。

それが完成系として“良し”ということではないけれど、

それぞれ意味のある工程であるはず。

そこから学び、

我々らしいスピード感でぐんぐん伸ばしていける仕組みがあるはず。

その理想系を追う意味でも、

ルールは極力作らず、

個人のレベルを上げ、

判断力を養っていくべきだ。

「組織としてどのレベルの企業体を創りあげようとしているのか」

ここを何度も話し合い、

高品質なサービスを大量に提供できる、

大きな大きな工場を創り上げるイメージで、

今日も組織としてのオペレーションを磨き続ける。

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