少し前のこと。
諸事情により、
早朝の5時にもかかわらず、
近くのセブンイレブンに行った。
そこは、
「セブンイレブン豊洲店」
いわずと知れた、
日本第一号店。
本格的なコンビニエンスストアとして、
日本で初めての店舗である。
レジの前に立って、
威勢よく「いらっしゃいませ」と声を掛けてくださったのは、
60歳前後のおじさん。
胸元の名札には、
「ヤマモト」
の文字。
やはりいらっしゃった。
そう、
コンビニ業界で知らない人はいない、
伝説の初代オーナーにして現役店長、
山本さんだ。
今から35年前の昭和49年、
現IYグループCEOの鈴木敏文さんの手によって
日本に持ち込まれたセブンイレブン。
今や、
世界で32000店舗、
日本だけでも12000店舗を誇る一大チェーンだが、
当時は、
“コンビニエンスストア”というビジネスモデル自体、
全く前例がない。
イトーヨーカドーの新規事業として
日本に持ち込まれようとしていたセブンイレブン。
社内では、
「スーパーよりも小さな店舗に人が行くわけがない」
との見解が大半の中で、
鈴木敏文さん(たしか、当時は課長)が、
周囲の大反対を押し切ってスタートしたのが始まりだった。
周囲の反対が多勢を占めたように、
なかなか決まらない第一号店の場所とオーナー。
そこに、
名乗り乗り出たのが、
当時、弱冠25歳の山本さんである。
「プロジェクトX」の
セブンイレブン立ち上げ秘話の回を3・4回見ている僕としては、
個人的にはヒーローのような方。
前例がない中で、
先代の酒屋を継いだ若者が、
「このままではダメだ」と一念発起したのだからカッコいい。
当時の豊洲は、
まだ今のようにマンションなどない、
人通りが全くない場所だったという。
そんな場所の一酒屋が手を上げてきて、
そこでもまた、
社内で異論が噴出。
その時の鈴木会長がまたシブい。
鈴木会長は、当時を振り返り、
こう語ったという。
「一目見て、この若者の情熱に賭けてみようと思った」
初めてのお客は、
レジの横のサングラスを購入。
日本で初めてのお客さんだ。
そんなチャレンジから35年経った今も、
朝の5時にレジに立つ。
よった勢いも手伝って、
得意の知ったかぶりを披露して、
握手をしてもらった
山本店長、朝一から騒がしくしてすみません。。
また勇気をもらいにお邪魔しまーす。